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お知らせ2023年11月13日

臨床研究におけるデータ公開(オプトアウト)/中枢および末梢神経脱髄疾患に関わる自己抗体と遺伝的要因の探索

 
研究の対象となる方
2020年4月1日から2023年9月30日までに福岡中央病院脳神経内科を受診され、多発性硬化症、視神経脊髄炎、慢性炎症性脱髄性多発神経炎と診断された方、及びそれ以外の脳神経疾患と診断された患者さんで20歳以上の方に本研究への協力をお願いしています。採取させていただいた血液や髄液等の検体が残っている方が対象となります。多発性硬化症50名、視神経脊髄炎30名、慢性炎症性脱髄性多発神経炎20名、その他の脳神経疾患50名を対象にしています。
 
なお研究の対象者となることを希望されない方又は研究対象者のご家族等の代理人の方は、国際医療福祉大学の研究責任者または福岡中央病院脳神経内科の担当者までご連絡ください。
 
研究課題名
「中枢および末梢神経脱髄疾患に関わる自己抗体と遺伝的要因の探索」
 
研究の期間
2023年10月30日(国際医療福祉大学倫理委員会承認日)~2026年3月31日

 
研究診療科
国際医療福祉大学大学院医学研究科トランスレーショナルニューロサイエンスリサーチセンター
および福岡中央病院脳神経センター脳神経内科

 
研究の意義、目的について
多発性硬化症と視神経脊髄炎は、代表的な中枢神経脱髄疾患です。視神経脊髄炎では、抗アクアポリン4抗体、抗ミエリンオリゴデンドロサイト糖蛋白抗体が70~90%で検出されますが、多発性硬化症では疾患特異的な自己抗体(抗神経抗体)は発見されていません。また視神経脊髄炎でも10~30%は抗体未発見です。一方、慢性炎症性脱髄性多発神経炎は、代表的な末梢神経脱髄疾患です。慢性炎症性脱髄性多発神経炎の一部で、ランビエ絞輪部蛋白に対する自己抗体が存在することが、わたしたちや海外の研究グループにより報告されています。しかし、大部分の慢性炎症性脱髄性多発神経炎では、自己抗体は未発見です。他方、多発性硬化症、視神経脊髄炎、慢性炎症性脱髄性多発神経炎では、これらの病気へのなりやすさには特定のヒト白血球抗原遺伝子型(ハプロタイプ)が関与していることが示されています。HLAハプロタイプは、様々な自己抗体の産生との強い関連が指摘されています。
 そこで、本研究の目的は、特異的な自己抗体が未発見の多発性硬化症、視神経脊髄炎、慢性炎症性脱髄性多発神経炎において、新たな自己抗体を同定し、抗体陽性者が特定のHLAハプロタイプを有し、特異な臨床像を呈するかを明らかにすることです。抗体未発見の多発性硬化症、視神経脊髄炎、慢性炎症性脱髄性多発神経炎で新規自己抗体と責任抗原を同定することができれば、感度、特異度に優れた抗体検出法を確立し、診断に役立てることができます。特徴ある病像を示す新規自己抗体陽性の疾患群が同定できた場合は、これまでの治療成績との関連を解析することで、これまで難病とされてきた、これらの疾患において有効な治療戦略を提供することができます。
 
研究の方法について
この研究では、通常の診療で行われた検査の結果や治療の内容、治療の効果などのデータ収集を目的としていますので、新たに血液や組織の検体を採取することはありません。収集したデータは、多発性硬化症、視神経脊髄炎、慢性炎症性脱髄性多発神経炎の新規自己抗体と責任抗原同定のために必要なデータベースとして蓄積します。
 なお、この研究は、国際医療福祉大学大学院医学研究科トランスレーショナルニューロサイエンスリサーチセンター及び福岡中央病院脳神経センター脳神経内科の共同研究となります。すでに採取、保存されている検体は、国際医療福祉大学大学院医学研究科トランスレーショナルニューロサイエンスリサーチセンターへ送られます。免疫染色やウェスタンブロットを行います。また、必要に応じて、ガスクロマトグラフィー・質量分析による解析を追加します。新規自己抗体陽性多発性硬化症、視神経脊髄炎、慢性炎症性脱髄性多発神経炎患者さんの臨床像を調査し、その特徴やこれまでの治療成績を後方視的に解析します。さらに、新規自己抗体陽性多発性硬化症、視神経脊髄炎、慢性炎症性脱髄性多発神経炎患者さんの髄液サイトカインプロフィールや神経由来分子、末梢血白血球より抽出したDNAのHLAハプロタイプを調べます。
 
研究計画書及び研究の方法に関する資料を入手または閲覧方法
研究計画書及び関連する資料を他の患者さん等の個人情報及び知的財産の保護等に支障がない範囲内で入手又は閲覧できます。
詳細な方法に関しては以下の問い合わせ先にご連絡ください。

・研究事務局
国際医療福祉大学大学院医学研究科トランスレーショナルニューロサイエンスリサーチセンター 
教授 吉良潤一
連絡先 TEL:0944-92-2000 FAX:0944-89-2001
junkira@iuhw.ac.jp
 
個人情報保護について
個人のデータは、福岡中央病院において誰のデータか分からなくした(匿名化といいます)状態で、国際医療福祉大学のデータベースへ提供されます。国が定めた倫理指針(「人を対象とする医学系研究に関する倫理指針」)に則って、個人情報を厳重に保護し、研究結果の発表に際しても、個人が特定されない形で行います。個人情報の漏洩への対策を行った上で、この研究の記録が適切に残されていることなどを確認するために、当院の関係者が内容の照合を行う場合があることをご了承ください。
 
研究協力の任意性と撤回の自由について
この研究へのご協力は、患者さんご自身の自由意思に基づくものです。この研究へ情報提供を希望されない場合は、お申し出ください。ただし、すでに研究結果が論文などで公表されていた場合には、ご希望に添えない可能性があります。この研究への情報提供を希望されない場合でも、診療上何ら支障はなく、不利益を被ることはありません。
 
研究データの二次利用
この研究のデータや検体を別の目的の研究に二次的に利用する場合がありますが、その際には、改めて倫理審査委員会の承認を得た上で、お知らせいたします。情報の利用を希望されない場合、ご不明な点等ございましたら、ご遠慮なく担当医師等にご連絡ください。
 
研究責任者・問い合わせ先
研究事務局 
研究責任者(実務担当者)
国際医療福祉大学大学院医学研究科トランスレーショナルニューロサイエンスリサーチセンター 教授
吉良潤一
TEL:0944-89-2000  FAX:0944-89-2001
Email: junkira@iuhw.ac.jp

共同研究機関
研究責任者 
福岡中央病院脳神経センター脳神経内科 部長 
中村優理
TEL:092-741-0300 FAX:092-781-2563
Email: nakayuri@kouhoukai.or.jp
住所:福岡県福岡市中央区薬院二丁目6番11号